まちクエスト 運営ブログ

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まちクエストキリ番インタビュー第1回

インタビュアー:小川 智史

(沖縄在住のおっさんプログラマー。2013年に家族とともに移り住んだ沖縄でまちクエストのサービス開発や運営を担当。まちクエスキリ番インタビューシリーズではチャットやSkypeを通して皆さんからお話を伺います!)

キリ番エスト No.1000〜

多摩川の原水」EkikaraManholeさん 2013/12/20

キリ番インタビュー第1回の今回は、マンホールの蓋に“描かれた風景”と“実際の風景”を見事に重ねあわせたクエスト「蓋になった風景」シリーズを始め、多くのマンホールクエストの生みの親である「EkikaraManhole」さんに、マンホールの魅力やまちクエストの楽しみ方をお聞きしました。

- 記念すべき1,000個目のキリ番エストの作成ありがとうございます!

はい、実は今回のキリ番エストには経緯があるんですよ。 まちクエストのサイトに表示されてた「総クエスト数」って、キリ番に近くなった頃から一部伏せ字になっていましたよね。でも、僕はまちクエストで公開されているダッシュボード (*)の数を見ていたので実際の件数もわかってたんです。でも、キリ番は他の人に譲ろうと思っていたので手元のネタを温めつつ1,000になる直前で投稿を控えてました(笑)

*ダッシュボード・・・サービスの成長度合いを示す各種数値を運営者が公開しているページ

- どのクエストがキリ番を踏むかわからないようにと考えてたんですが、そういえばダッシュボードではクエスト数を公開したままでした(汗)

でも、先日の「まちクエストカフェ」の時にはこのクエストを皆さんにも紹介したかったので、その日に投稿したのが1,000個目のクエストになりました。

- 色々ご配慮頂いてたんですね、ありがとうございます! では、運営されているサイト『駅からマンホール』について聞かせてください。マンホールのサイトを始めたきっかけは?

はじめてマンホールの蓋を写真に撮ったのは学生の頃です。校内にあった戦前のものと思われる古いマンホールでしたね。 ブログでのアルバム化を始めたのはその後しばらく経ってからで、つくば市で見かけたマンホールがきっかけです。それが2007年頃ですね。

- スペースシャトルの図柄が印象的なマンホールですね!

きっかけとなったつくば市のマンホール

始めは綺麗な絵がデザインされた「新しい蓋」ばかりを見ていたのですが、今では戦前から残っているような一見地味な「古い蓋」にも興味があります。「古い蓋」ってまだまだ現役で使われているのも多いんですが、メンテナンスや老朽化で撤去されて消滅しつつもあります。なので、そういった蓋をどうにか保存する動きを作っていきたいという思いもあって活動してます。

個性豊かなデザインの「新しい蓋」でも、「平成の大合併」を始めとした市町村合併で消滅した自治体のものもあって、こういった蓋も撤去されると同じものはもう二度と設置されませんので、なるべく記録に残すようにしています。

- 個性豊かなマンホールといえば沖縄でもきれいなマンホールをよく目にしますが、マンホールのデザインってどうやって決まるんですか?

マンホールのデザイン決定にはいくつかパターンがあるんですよ。自治体がメーカーにデザインを依頼することもあれば、メーカーからの企画提案だったり、最近は公募から決まる場合もあります。 デザインマンホールの発祥は沖縄の那覇市という説もありますよ。

- そうなんですか!今度見かけたらぜひクエストにしてみたいと思います。普段はどのくらいの頻度でマンホールを見て回ってるんですか?

そうですね、ブログ開設当初は時間さえあればしょっちゅうマンホールを見に出かけてました。最近は、近場のマンホールは回り尽くしたということもあって頻度は下がってますが、下水道処理場で開催されるイベントに足を運んだり、青春18切符のタイミングで地方のマンホール巡りをしたりしてますよ。

- ちなみにEkikaraManholeさんは、どんなマンホールが好きですか?

マンホールの蓋の楽しみ方って大きくわけると2通りあるんです。ひとつは「路上の文化遺産」もうひとつは「路上の芸術」と呼ばれています。 「路上の文化遺産」は骨董的価値の側面から、「路上の芸術」はデザイン性からマンホールを楽しみます。僕の場合はどっちの要素も好きで楽しんでますね。

お気に入りをあげるとすると、幻の電気鉄道とも言える「光明電氣鐵道」の蓋や、既に今は消滅した「静岡県韮山町」の特産品「いちご」、「反射炉」と「富士山」がデザインされている蓋が気に入ってます。

- いずれもサイトの中で詳しく紹介されていますね。特に光明電氣鉄道のマンホールについてはそのデザインをきっかけに、歴史を遡りながらその由来をつきとめていく流れがまるでドキュメンタリー番組のようです。

駅からマンホール > 路上の文化遺産 ~ 光明電氣鐵道株式會社

駅からマンホール > いちご狩りと反射炉と富士山 ~ 静岡県韮山町

- ところで、マンホールの世界にはファン同士の交流やコミュニティなどはありますか?

仲間内で、11月2日を「いい蓋の日」と名づけて、マンホールナイトというイベントを開催してます。去年は50人ほど集まりました。

- たくさんの方が参加されてるんですね!

今後は、マンホール業界の方々とマンホールファンが一同に集う「マンホールサミット」というイベントも予定していて、これから更に広がりそうな感じです。

〜まちクエストについて〜

- まちクエストについては、どんな印象を持たれましたか?

最初は「旅に付加価値をもたせるという点で面白い試みだな」という印象を持ちました。 それと、ビジネスモデル。「これ、どうやって儲けるんだろう?」って(笑)

実際にクエスト探しをしてみたら、クエストを解いた時の「見つける楽しさ」だけじゃなく、クエストにつく参加者のコメントで話題が発展していくのが更に面白いなと思いました。

- ありがとうございます!どんなクエストが面白かったですか?

例えば、JR御茶ノ水駅のクエスト「駅ホーム上の謎の穴」や新宿の「みんなの泉」ですね。

- 「駅ホーム上の謎の穴」はJRホームのど真ん中にある不思議な大きさの穴ですよね。それに「みんなの泉」はまさかの案内板そのものの誤植発覚!情報ですね(笑)

普段はなかなか出会うことのない知識や情報をそこで知ることができるというのはとても楽しめるポイントですね。「みんなの泉」の問題になっている中島鋭治博士はマンホール界では有名な人で、そのあたりがつながるのも面白いなと思いましたよ。

- マンホールクエストをたくさん作って頂いていますが、楽しみ方やポイントはありますか?

おすすめはやっぱり今回キリ番エストにもなった「蓋になった風景」シリーズです。それぞれ自治体がマンホールの蓋にデザインするほど自信をもって勧めている風景なので、ぜひ足を運んで欲しいです。ただ、蓋とそこにデザインされた風景が必ず同じ場所にあるとは限らないので、ぜひ両方行って見比べてみてください。

「蓋になった風景」のクエスト

これ以外も、たくさんあるマンホールの中から特徴的なものを選んでクエストにしているので、どのマンホールクエストも楽しんでもらえると思います。

- これからマンホールクエストを作るときのポイントを教えて下さい。

そうですね・・・マンホールって同じデザインのものがあちこちにあるので、それをクエストにするのって実はちょっと難しいんです。 なので、特徴的な風景が描かれたマンホールをクエストの題材にしたり、あとは「東京番ホール巡り」でもとりあげているような番号がついたマンホールや消火栓ならクエストにしやすいかもしれないですね。番号付きのマンホールは東京以外にもあるのでぜひ探してみてください。

- マンホールクエストが増えるのが楽しみです。お話、ありがとうございました!

というわけで、第1回まちクエスキリ番インタビューは「今後も更にマンホールの世界を広げて、歴史的に貴重な蓋が保存されていくように活動したい!」と語るEkikaraManholeの白浜さんでした。 ぜひみなさんもマンホールクエストを通じて、足元にひろがるマンホールの奥深い世界を楽しんでみてください!

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